阪神淡路大震災［写真調べ学習］プロジェクトについて
阪神淡路大震災［写真調べ学習］プロジェクトとは
２０１４年１２月２４日
私たちは、阪神淡路大震災１５年を前に「調べ学習」を進めることになりました。
テキストとして参考資料にしたのは
『語り継ぎたい。命の尊さ〜阪神大震災ノート』（一橋出版刊、2011年 学びリンク社から復刊）です。
そこに掲載されている報道写真に注目いたしました。
このテキストには、新聞６社、通信社と放送局各１社、学生新聞、公共機関、
遺族などからの提供写真あわせて４７枚が掲載されています。
とりわけ、新聞・通信・放送各社の被災直後の写真・映像は生々しく、
震災をほとんど知らない世代の生徒や学生にとって、
「当時の受験生は避難所でどのように勉強したのか？」、
「火が迫っているのにどうして逃げないのか？」、
「被災後３日もたっているのに、どうして鉄道の線路は
歪んだまま放置されているのか？」
など、当時の写真・映像には知りたいことがいっぱいありました。
折しも、テキスト出版元が、防災ワークブック『僕たちの阪神大震災』（仮題）の
出版を計画していて、「調べ学習」参加校を募集しており、
それに応募する形で生徒たちがチームを結成し、活動を実施することになりました。（注）
「震災の“あの日”に何があったのか」を知ることが、
これからの防災のすべての原点ではないか…。
わたしたちが選んだテーマが、
《震災の記録写真を読み取って、知りたいこと、納得いかないことを調べる》です。
撮影したカメラマン・記者へのインタビュー、現地訪問、
関係者へのインタビューを通じて、
「“あの日”のできごと」を調べ、
被災者のみなさんの思いに少しでも近づきたい、と調べ学習を進めました。
その結果…
テキストの著者や編集者、
さらには撮影した報道各社のカメラマンも
知りえなかった事実や、
被災後の現実が浮き彫りになりました。
震災から15年近くたって、中高生らが
どうして被災者にここまで話を聞くことができたのか？
サイト「僕たちの阪神大震災ノート」
（http://home.kobe-u.com/sinsai/）
に素材データがアップされています。
お読みいただければと思います。
2010年10月には、災害情報学会の学会記念講演で
活動内容が発表されました。
（詳録http://www.jasdis.gr.jp/_userdata/05sympo/101023.pdf）
また、この活動は、2011年1月には、兵庫県主催の「ぼうさい甲子園」で
奨励賞を受賞しています。
残念ながら、テキスト出版元の一橋出版（株）が2009年５月に自己破産しましたが、
学びリンク社が、そのあとを継ぎ
新版『語り継ぎたい。命の尊さ〜阪神淡路大震災ノート』として
2011年4月に出版し、
私たちの調べ学習の一部結果（ダイジェスト）が掲載されています。
こちらもご覧下さい。
活動はボランタリーなものですので
卒業とともに活動を休止したチームもあれば、
活動を続けたチーム、
２０１４年に活動を再開したチームもあります。
私たちは、もっと多くの生徒、学生たちが
写真でしっかり学べるかたちでの
大判での出版を目指しています。
関心がおありの方は、下記までご連絡をお待ちしています。
＜プロジェクト事務局：井上裕子＞
《震災写真［調べ学習］プロジェクト》
代 表＝稲垣成哲 神戸大学 発達科学部 教授
副代表＝舩木伸江 神戸学院大学 人文学部 准教授
≪参加校・団体≫（順不同／肩書きなどは2009年当時）
つくば開成高等学校京都校［ボランティア委員会］（指導＝前田瞳教諭）
兵庫県立淡路高等学校［社会研究部］（指導＝森康成教諭）
神奈川県立横浜緑ヶ丘高等学校［有志］（指導＝川手徹教諭）
静岡県森町立森中学校 ［修学旅行チーム］（指導＝井上哲教諭）
ＵＮＮ関西学生報道連盟 ［神戸大学ニュースネット・大阪大学ＰＯＳＴ］
神戸大学 発達科学部・大学院人間発達環境学研究科［有志］（指導＝稲垣成哲教授）
神戸学院大学 学際教育機構 防災社会貢献ユニット［有志］（指導＝舩木伸江講師）
≪阪神淡路大震災［写真調べ学習］プロジェクト事務局≫
『語り継ぎたい。命の尊さ〜阪神淡路大震災ノート』編集者
井上裕子 sinsai@kobe-u.com
●「震災写真プロジェクト」
読売新聞大阪本社版 ２００９年６月２８日付 『減災』のページ 「生の証言に衝撃、想像を絶する過酷さ」
http://osaka.yomiuri.co.jp/shinsaimirai/data/sm90628a.htm 参照。
『語り継ぎたい。命の尊さ〜阪神大震災ノート』読者のページ
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